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高校野球をテーマとした長編野球漫画「H2」 結末

 

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解説

あだち充の少年漫画作品。週刊少年漫画雑誌『週刊少年サンデー』に、1992年32号から1999年50号まで連載された。高校野球をテーマとした長編野球漫画。2人の野球少年と2人のヒロインの、野球にかける青春と恋を描く。

 

登場人物

 

国見比呂(くにみ ひろ)
千川高校3年(開始当時:千川高校1年)。投手。右投げ・右打ち。
 
 
橘英雄(たちばな ひでお)
明和第一高校3年(開始当時:明和第一高校1年)。三塁手。右投げ・右打ち。
 
 
雨宮ひかり(あまみや ひかり)
明和第一高校3年(開始当時:明和第一高校1年)。
 
 
古賀春華(こが はるか)
千川高校3年(開始当時:千川高校1年)。
 

 あらすじ

大の親友であり、そしてライバルでもある国見比呂と橘英雄。2人はチームメイトの野田敦と共に中学野球で地区大会二連覇を果たすが、その後医師から比呂は肘、野田は腰にそれぞれ爆弾を持っていると診断されてしまい、野球を断念。英雄が野球の名門・明和一高に進んだのに対し、比呂と野田は野球部の無い千川高校に進み、それぞれサッカー、水泳に取り組むことにした。

千川高校には野球部はなかったのだが、「野球愛好会」が細々と活動していた。比呂は、ひょんなことから行われることになったサッカー部と野球愛好会との野球の試合に参加するも、試合中のサッカー部員たちの野球を馬鹿にした態度を嫌い、その場でサッカー部を退部し野球愛好会へ入会する。たまたま見ていた野田も一緒に入会する。二人は1試合だけの参加のつもりだったが、中学時代に肘、腰の診断を行った医師が無免許で逮捕されたことを知り、別の病院にて何の異常もないことを知ると正式に愛好会へ入会。そして甲子園に行くために「野球部」への昇格を目指す。 昇格を校長に直訴する愛好会メンバーだったが、校長が「高校野球嫌い」のために断られていて、説得の末、「明和一高との試合に勝つこと」を条件として提示される。この試合が校長の心を開くこととなり、野球部創設が認められる。

千川高校野球部はマネージャー・古賀春華の兄を監督に迎え、地区予選の強豪、全国の強豪を倒し、比呂は英雄との対決を甲子園で迎えることとなる。

 

結末

 東京同士、親友同士。
全国の高校野球ファンが待ち望んだ、投打のヒーローの夢の対決がついに実現。
英雄の対決のためだけに密かに練習してきたという高速スライダーをこの日初めて見せる比呂。
しかし英雄は比呂が最後は必ず渾身のストレートで真っ向勝負をしてくると信じてバットを振り続ける。
高速スライダーと140キロフォーク、スローカーブを駆使して英雄との真っ向勝負を避ける比呂に、結局英雄は無安打のまま、千川が2点をリードして試合は9回裏2アウトに。
バッターボックスには英雄。
2人の最初で最後の対決の行方は?
そしてひかりが選ぶのは…?

 

まずは第1打席目の対決へ!

1球目、ど真ん中のストレートで1ストライク。英雄は様子見で見逃し?
2球目、左外角へそれて1ボール。今度は比呂が様子見か?
3球目、比呂はフォークで英雄の空振りを誘い2ストライク。
そして4球目!
比呂が珍しくスライダーを投げたかと思えば、それが左へ大きくそれてパスボール! 英雄は振り逃げで1塁セーフとなったけど、次の打者を空振り三振に抑えてチェンジとなりました。なんと比呂はカーブとフォークの他に、昨年秋からこっそり練習して高速スライダーを身に付けていたのです。それは、英雄との勝負のため・・・。

 

その後千川高校は、4回表にタイムリーヒットで比呂がホームに帰還して1点、7回表に敦

 

がレフトスタンドへのホームランを打って1点で、2点リード。比呂と英雄の第2打席目の勝負は、比呂がいつもとは違って勝ちにこだわったピッチングをし、3球続けての超スローボールで英雄は見逃しの三振。第3打席目も、直球勝負を望む英雄に対して、比呂は変化球で攻めて空振りの三振。そして9回表・千川高校の最後の攻撃は無得点に終わり、9回裏・明和一高の攻撃へ。比呂は春華から「頑張れ、負けるな。」と声を掛けられたけど、それは準決勝前夜にひかりから言われた言葉と全く同じでした。心揺れ動く比呂は「ああ。」と言い残して、ピッチャーマウンドへ向かいました・・・。

そして9回裏2アウトになり、比呂と英雄の最後の対決へ!

1球目、直球ど真ん中のストレートはわずかに高く1ボール。
 しかし球の速度は、高校野球では異例の「156km/h」を記録!
2球目、3球目とボールが続き3ボール。
4球目、英雄が捉えた打球はバックネット裏へ飛びファールで1ストライク。
5球目、比呂の直球を英雄はまたも捉え、その打球はレフトスタンドの方向へ! サヨナラホームラン・・・かと思わせたけど、強風で球が流れてファールで2ストライク。これでカウントは2ストライク・3ボールで、次が最後の勝負。男の真剣勝負に、力が入る比呂と英雄。


そして6球目!

勝手に信じ切った目だな……
100%ストレートしかないってか。
―それだよ英雄。
忘れるな。
その融通の利かねえバカ正直さに―
雨宮ひかりはホレたんだ。

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比呂の最後の球は直球ど真ん中のストレート! 英雄は渾身のスイングを見せたけど、比呂の球はバットに触れることなく敦のキャッチャーミットへ吸い込まれ、空振り三振でゲームセット! 千川高校は決勝進出を決め、同時に比呂は英雄との対決に勝った

試合後、英雄はひかりに、最後の球は高速スライダーと思い比呂を疑ってしまったことを話し、「完全に負けたんだ。比呂にも、自分自身にも。許せない、そんな自分が・・・。」と自分を責めたのでした。その夜、宿舎にいた比呂は作った紙飛行機を投げると、そこへ春華が「その飛行機、どこまで行くの?」と言いながらやってきて、比呂は「ちょっと、大リーグまで、かな・・・」と答えました。そして春華が「じゃあ、スチュワーデスはわたしだ!」と言うと、比呂は「たぶんーーな」と答えた。

結局、ひかりと英雄が元の鞘に納まり

比呂は春華の夢に真剣に向かい合っていく決意をし始めました。

ラストはみんなでバスに乗り込み

甲子園、決勝に向かうところで終わり。。

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H2最終回の解釈

あだち充の人気漫画「H2」のラストは多義的であるため、様々な解釈がなされている。その一部を紹介します。

それまで英雄とひかりは確かに互いのことが好きで、まぎれもなく恋人同士だったんですが、今一つ2人の間には距離があったんです。
英雄の場合、今一つひかりの本当の気持ちというものに自信がなかったんだと思います。ひかりが本当に好きなのは自分じゃなくて比呂なんじゃないか…とか、色々と不安や嫉妬のようなものを感じていたんでしょう。だからかもしれません、何年も付き合っていながら、未だに自分の弱さをひかりにぶつけられずにいたんです。だからこそ、ラストの試合で比呂と勝負して「勝つ」ことで決着をつけようとしました。でも、英雄が本当にすべきことはそれまでひかりに見せようとしなかった自分の弱さをちゃんとぶつけることだったんです。
一方、ひかりの方も英雄と比呂の間で気持ちが揺れていました。
比呂は試合を通して、そんな2人に対し、英雄が自分の弱さをひかりにぶつけること、そしてそれをひかりが受け止めてくれるということ、ひかりが惚れているのは間違いなく英雄なのだということを伝えようとしたんです。

もうひとつ、同時に、ラストの試合は比呂がひかりへの気持ちに別れを告げるための試合でもありました。それまで、比呂の勝利のそばにはいつもひかりがいましたが、あの試合は、自分にはもうそれがなくても大丈夫なんだ、ひかりのことを必要としているのは自分じゃないんだということを見せるための試合だったんです。

これらのことを伝え証明するために、比呂は、何としても相手側の応援席にひかりがいる状態で、英雄に完全に勝たなければならなかったんです。普段なら絶対にしないような勝ちにこだわったピッチングをしていたのも、あの試合でだけは絶対に英雄に打たれるわけにはいかなかったからです。
あの試合で英雄に勝利することは、比呂にとってひかりとの「別れ」を意味するものでした。試合に勝った時の涙もそのためのものだったんだと思います。あの試合のラストの一球、本当は最も打たれる可能性の低い高速スライダーで決めようとしていましたが、結局はど真ん中のストレートを投げていました。土壇場でひかりへの気持ちを引きずってしまったことと、やはり最後には英雄と本当の勝負がしたかったという奥底の気持ちが現れてしまった結果だったんじゃないでしょうか。本当は英雄に負けたかったんだと思います。でも結局は、比呂が勝ってしまいました。ひかりへの気持ちに別れを告げることになったわけです。


・比呂はひかりのことがずっと好きで今も好きなんでしょうか?

 
人の気持ちってそうと決めてもすぐに整理のつくものではないと思います。今もというのがどの時点でのことを言っておられるのかはわかりませんが、やはりあの試合後もまだしばらくは好きだと思います。でも、春華のことが好きなのも事実です。私は、あの作品のラストは、ひかりと英雄だけでなく、比呂と春華の本当のスタートでもあるのだと思っています。

・ひかりは比呂のこと好きにならなかったんでしょうか?


 ひかりが比呂と英雄の間で気持ちが揺れ動いていたのは事実だと思います。はっきりとした恋愛感情とまでいくかは分かりませんが、それにかなり近い感情ではあったと思います。でも、本当に惚れているのはやっぱり英雄だったということでしょう。あの試合で、ひかり自身もそのことに改めて気付かされたんだと思います。

 

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