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僕は、夢に生きる。「星になった少年 Shining Boy & Little Randy」 結末

 

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解説

カンヌ国際映画祭で主演男優賞に輝いた柳楽優弥。自らの意志でタイに渡り“ゾウ使い”の道を志しながらも20歳にて逝去した少年の半生を描いた実話。監督は「抱きしめたい」「人間の証明」などのTV作品の演出で知られる河毛俊作。音楽は世界的な音楽家、坂本龍一が担当する。ラストは涙なしには見られない。タイの美しい景色と象の利発さに要注目!

 

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あらすじ

学校でいじめにあっていた哲夢(柳楽優弥)だったが、両親が経営する動物プロダクションが購入した仔ゾウのランディと出会い、象使いになりたいと願うようになる。そして哲夢はタイのゾウ訓練センターへ留学するが……。

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結末

1989年、千葉県東金市。家族経営の小さな動物プロダクション“小川動物プロダクション”に、母・佐緒里の長年の夢であった2頭の象、ミッキーと子象のランディがやって来た。

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象たちと仲良しになった13歳の長男・哲夢は、ある日、立派な象使いになりたいと思い立ち、両親の反対を押し切って、単身チェンマイ北部の象学校に留学する。言葉もわからないまま、子象のファーをあてがわれ、トレーニングを開始した哲夢。やがて、ポーを始めとした他の生徒たちとも打ち解けるようになった彼は、努力の甲斐あって一人前の象使いへと成長。

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帰国した後、ランディを調教し、町のフェスティヴァルや映画への出演を果たすと、自身の夢であった日本で初めての“ぞうさんショウ”をも成功させる。そんな哲夢の次なる夢は、年老いた象たちがのんびり余生を暮らす為の楽園を作ること。

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しかし1992年11月10日、彼はバイク事故により帰らぬ人となってしまう。

 

 

佐緒里が哲夢のガールフレンド・絵美から、何故哲夢があんなにも象に夢中だったのか、その訳を聞かされたのは翌年の春のことだった。

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彼は、母の夢を追いかけたかったのである。そして2005年、タイの象学校では、ポーがファーの子供の調教を始めていた。

その子象の名は――テツ。

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『ちび象ランディと星になった少年』 

 

ちび象ランディと星になった少年

ちび象ランディと星になった少年

 

 坂本 小百合 著 

昭和24年12月4日生まれ。神奈川県横浜市出身。

   横浜雙葉学園高校卒業後、明石リタの芸名でファッション・モデルとしてデビュー。

   モデル引退後、動物プロダクション経営に転身。平成8年、私設の動物園「市原

   ぞうの国」をオープンし園長に就任。

        

                  (本書紹介文より。本書発刊当時)

 

  

 

  本書は、日本で初めての少年ゾウ使いになったものの、交通事故で20年という短い生涯を終えた息子と、彼がわが子のようにかわいがった象ランディとの物語を、母親が綴った手記。母親である著者は、ファッション・モデルだったアメリカ人の父を持つハーフの売れっ子ファッションモデルとして活躍後、「ゾウのいる、わたしの動物園を作りたい」と、子供時代からの夢を実現するための第1歩として動物プロダクション経営に転じ、1996年には私設の動物園「市原ぞうの国」をオープンさせ園長を務めている坂本小百合さんだ。

 

 

 坂本小百合さんの息子・坂本哲夢さんは、1972年6月生まれ、子供の頃から大の動物好きで、動物たちの世話だけでなく、動物たちとじかに肌をぶつけ合いながら遊んでいた。そしてタイで生まれたアジアゾウのメス象「ミッキー」が坂本さんの経営する動物プロダクションの飼育場にやってきて、哲夢さんの象との出会いが始まる。当時幼かった哲夢さんは、象ミッキーとふれあう中で、ゾウという動物に対する好奇心をどんどんふくらませていった。本書表題についている「ちび象ランディ」とは、哲夢さんが終生わが子のようにかわいがった象であるが、ランディは、左記にあるように映画「子象物語 地上に降りた天使」に出演した象ライティが亡くなった後に見つけていた仔ゾウだ。ランディがきてからというもの、哲夢さんは小学校から帰ると玄関にランドセルを放り投げ、一目散にゾウ舎に向かうのが日課となる。

 

 

 たまたま12歳の小学校6年の時、日本人の少年がタイにあるゾウの調教学校に留学してゾウ使いの訓練をするというドキュメンタリー番組を考えていたある民放テレビ局からの話で、約3週間ばかりではあるが、チェンダーオの象訓練センターで象使いの修行をすることになる。そして、小学校を卒業した哲夢さんは日本の中学への進学を選ばずに「チェンダーオゾウ訓練センター」での本格的なゾウ使い修行を決意しタイへ再留学する。この「チェンダーオゾウ訓練センター」は、チェンマイから国道107号線を60キロほど北上したところにあり、チェンマイ県のメーテーン郡とチェンダーオ郡にまたがった場所にあった。哲夢さんは、「チェンダーオゾウ訓練センター」開校以来、初めての外国人生徒となった。

 

 

 本書では、両親の離婚と母親の再婚、両親の不仲、小学校での陰湿ないじめの環境の中から、ゾウと心を通い合わせ、2度のタイでの修行留学、早くに本格的なゾウ使いになる決意を持ち夢をかなえていく、少年のたくましく成長していく様が、綴られている。高校進学と中退、そして女性との恋や母親との親子関係、父親との対立などの話も交えながら、ゾウ使いの仕事、動物トレーナーとして全国各地で活躍していく仕事ぶりが紹介されているが、1992年11月11日、運命の日を迎えることになる。少年の成長や、少年とゾウとの交流だけでなく、母親の息子への思いが全編溢れる母と子の物語でもあろう。

 

 

 「日本にいるゾウたちは、人間の勝手で連れてこられたのに、それでも一生をかけて人間を慰めてくれているんだよ。それなのにゾウたちは結局、コンクリートの狭いゾウ舎で孤独に死んでいくんだ。そういうゾウたちが、これからどんどん増えていくんだ。今はどうしたらいいのかもわからないけれど、いつか僕はそんなゾウたちに、幸せな余生を送ってもらえる楽園を作りたいんだ」と、哲夢さんは生前、口癖のように語っていた。そして著者は、息子の死をきっかけに、ゾウたちが安心して余生を暮らせる「老ゾウホーム」を作ることが息子の夢を実現することであり、自分の使命と決め、2004年5月、「勝浦ぞうの楽園」のオープン実現にこぎつけている。

 

 

 本書でも当然ゾウについての記述が少なくなく、アジアゾウが見せる芸は、タイで「ゾウ語」と呼ばれる「ゾウ使い専門」の言葉による命令と、30cmほどの木の柄の先端に金属製のカギがついたL字形の棒である”コー”を使ってゾウの全身に点在するツボを刺激することで行われるが、来日して1年たった時の象ミッキーの場合は、すでに日本語での命令も可能になっていたというほど、ゾウは知能の高い動物だという。ゾウは視力が弱いから、匂いで相手を判断するとか、アジアゾウは重さだけでも約5キロ、人間の4倍もある脳を持ち、高度な知能をそなえた動物だとか、しかも、ゾウは声によるかなり発達したコミュニケーションを行う動物といわれていて、発する声の音域は一説によれば10オクターブ以上で、低くうなるような超低周波から、叫び、悲鳴といった高周波にまでわたるなど、象への興味も尽きない。尚、タイの象については、書籍『タイの象』(桜田育夫 著、めこん、1994年2月発行)に詳しいが、この本には、”日本人の象使い”という項(326頁~330頁)で、坂本哲夢さんや象ランディのことが取り上げられている。