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奇跡は、一度だけ、想いをつなぐ。「ツナグ」 結末

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解説

直木賞作家・辻村深月による同名小説を映画化したヒューマンドラマ。大切な人を亡くした者と死者を一度だけ再会させる仲介人「ツナグ」という職業を通じて、他人の人生に深くかかわっていく青年の葛藤と成長を描く。一見するとごく普通の男子高校生・歩美は、祖母アイ子からツナグを引き継ぐ見習いとして、死者との再会を望むさまざまな人と出会っていく。しかし、死者との再会が救いになるのか、人生は変わるのか、次第に自身の行為に疑問を抱くようになる。映画「麒麟の翼」、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」など話題作への出演が続く注目の俳優・松坂桃李が、初の単独主演。祖母アイ子役の樹木希林のほか、佐藤隆太、桐谷美玲、橋本愛、八千草薫、仲代達矢らが共演。監督は「ROOKIES 卒業」の平川雄一朗。

あらすじ

たった一度だけ、死者との再会を叶えてくれる人がいるらしい―。半信半疑で依頼をしてくる人たちの前に現れたのは、ごく普通の男子高校生・歩美(松坂桃李)だった。
彼は、すでに死んでしまった人との再会を仲介する使者“ツナグ”を祖母のアイ子(樹木希林)から引き継ぐ途中の見習いである。横柄な態度で、癌で亡くなった母・ツル(八千草薫)に会うことを希望する中年男性・畠田(遠藤憲一)。
喧嘩をしたまま自転車事故で死んでしまった親友・御園(大野いと)に聞きたいことがある女子高生・嵐(橋本愛)。
プロポーズ直後に突然失踪した恋人・キラリ(桐谷美玲)の安否を確かめたいサラリーマン・土谷(佐藤隆太)。
歩美のもとには次々と依頼が舞い込んでくるが、歩美はその過程で様々な疑問を抱く。
死者との再会を望むことは、生者の傲慢なのではないか。果たして会いたかった死者に会うことで、生きている人たちは救われるのか。やがてその疑問は、自身の両親の不可解な死の真相へも向けられていく……。

結末


「プロローグ すれ違いながらも、交錯する人びと」

 男子高校生が通勤・通学電車に乗り、立体交差する形で、別の電車にはサラリーマンが乗っている。
その電車の傍らをふたりの女子高生がチャリで坂道を登っている。
「もっと寒くなれば、凍って危ないんだよ」
水道を出しっぱなしのため濡れている路面を、女子高生のひとりが指差す・・・・。
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「第1章 畠田靖彦(遠藤憲一)とツル(八千草薫)の物語」

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 畠田は、工務店を経営している。息子に対しては、頭ごなしに叱りつけ当然、息子は反発する・・・・。
そんな頑固親父の畠田が、ツナグに連絡を取ったのである。だが、半信半疑というより、全くツナグなど信じていない。

携帯メールで待ち合わせ場所に指定されたのは、夜の公園。現われたのは、高校生らしい渋谷歩美(坂本桃李)であった。
「新手の詐欺か。金なら払わねえぞ!死者に会うって、できるわけねえ」口汚く歩美を罵る。

会いたいのは亡き母のツル、土地を売りたいが権利書が見つからない。用件を聞いた後、歩美は、「亡き鶴さんの意向を確認後、当方から改めて連絡します」と答えた。死者が会うことを拒否する場合もあるからである。

そんな様子を、木陰から見守っていたのが、祖母のアイ子(樹木希林)だった。ツナグはアイ子だったが、見習いとして孫の歩美を教育していたのである。高齢のため、病気がちで、ツナグを孫にと考えていたが、強制する気はない・・・・。

畠田の携帯に連絡が入り
「ツルさんは、会うそうです。品川のバンド・ホテルのロビーで7時半に待っています」
「会えるのは夜の間だけです」

まるっきり信じていない畠田がドアを開けると、母親そっくりの女性が立っていた。ぶっきらぼうに畠田は言う。「母さんが亡くなって、権利書の保管場所が分からないから来たんだ」、母親は即座に答える。「それなら、あなたが知ってるじゃない。口は悪いけど、あなたはいい子だったわ。孫もね!」
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ツルはさらに言葉を継う。「私ね、ツナグに頼んで、亡き父さんに会ったことがあるの、あなたの子を連れてね・・・・。父さん、喜んでいたわ、孫の顔が見られたって。あなたは乱暴で口も悪いけど、いい息子だったわ。孫もだけどね」

いつしか、夜が明け一晩中、ロビーで待っていたのが歩美だった。畠田は「いいトリックだったな」。
だが、そのあと名刺を出し「何か困ったことがあったら、訪ねてくれ。ありがとう」、あの畠田が深々と頭を下げるのであった・・・・。


「第2章 嵐美砂(橋本愛)と御園奈津(大野いと)の物語」

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 女子高生の嵐と御園は同じ高校に通う親友で、演芸部にも所属していまた。放課後、屋上で発声練習を欠かさないが、御園が注目したのが歩美であった。
 演芸部で、チェーホフの「桜の園」公演が決定し、各俳優のオーディションが始まる。この作品は、ある程度均等に出番のある演劇だが、主人公格のラネーフスカヤに手を上げたのは、嵐だけではなかった。親友の御園も、自分もチャレンジすると名乗す名乗り出る・・・。
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嵐が部室のドアを開けようとした時、御園の声が聞こえる。
「ラネーフスカヤは、"あたし"に決まってるわ」
他の部員たちの笑い声が聞こえた。これ以降、かつての親友とは、喧嘩別れの状態になる・・・。
そして、ラネーフスカヤ役は、御園に決定する。

そんな中、嵐が自転車で坂道を上っている時、御園の言葉が蘇った。
「もっと寒くなれば、凍って危ないんだよ」
嵐は水道の蛇口をひねり・・・・。そして、御園は交通事故で亡くなってしまう・・・。
 嵐はやましさを秘め、御園の葬儀に出席し御園の母親に、親友の死に顔を見たいと言うが損傷が激しいことを理由に断られる。その際、御園の最後の言葉を聞かされる。
「嵐が〇〇〇」

御園の死によって、ラネーフスカヤ役は、嵐のものになったが、気分が乗らない。
演劇部の仲間に、「ラネーフスカヤ役は、"あたし"に決まっている」と言った御園の発言を、嵐は友人に話すと
友人は
「"あたし"ではなく"あらし"だったんじゃない?」
と・・・。

 嵐は都市伝説としてウェブ上でも話題になっていたツナグに連絡を取ります・・・・。待ち合わせ場所に来たのは、歩美だった。嵐は、"親友"だから、御園に会いたいと言った。ツナグには、法則があり生者のリクエストも、死者の応諾も、1回に限られていたのだった。
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仮に、御園が応じれば、御園は誰にも会えなくなる。
嵐の目的は、あくまで秘密の保持にあった・・・・。しかし、その御園が応じたのです。

嵐は、901号室に行くと御園が待っていた。嵐は、ただ泣き崩れ「何故会ってくれたの? 私と会っちゃうと、もう誰にも会えなくなるよ」と聞く嵐に、御園は"親友"だからだと答える。

御園との面会は、さほど時間を要さずに終わった。ただ、嵐が真相を話さず、ごめんなさいと、泣きじゃくっていたからである。
部屋を出て行こうとする嵐に御園は話しかける。
「嵐へのメッセージ、歩美くんに伝えているから、彼から聞いて」


早く出てきた嵐に聞かれるままに、歩美は御園のメッセージを伝える。
「道路は凍っていなかったから」
少なくとも、御園は、嵐がわざと蛇口をひねったことを知っていたことになる・・・・。

もう一度会わせて、と泣き崩れる嵐・・・

「第3章 土谷功一(佐藤隆太)と日向キラリ(桐谷美玲)の物語」

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 歩美の祖母・アイ子(樹木希林)は、病院で偶然、土谷に会った。アイ子の人生経験は、土谷の抱える苦悩を一瞬にして見抜き歩美の携帯番号をメモし、土谷に渡す・・・・。
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7年前、家出同然で上京してきたキラリは、街中で転んだ時に親身になって助けてくれたのが、土谷であった。
デートを重ねたふたりは、いつしか愛し合うようになっていた。そして土谷は、キラリにプロポーズする。
キラリが失踪したのは、その直後であった。

 この7年間、土谷はキラリを待ち続けた・・・・。キラリを忘れられずいまだ独身。土屋は、アイ子の奨めるままに、ツナグと連絡を取る。生きていれば、ツナグの出番はない。死んでいれば・・・・。
このエピソードでは、銅鏡を通じて、死者が現われる。あまたの光る粒子が、次第に人間の形を取るのである。

出現したキラリは、「あの人に新たな一歩を踏み出してほしいから会うわ。忘れられてもいい」。
キラリは偽名を使っていたのであった。失踪当時、キラリは実家に土谷との結婚を報告するために帰郷途中にフェリーの遭難事故に巻き込まれ命を落としてしまったのだった・・・。

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面会予定の満月の夜、歩美はホテルのロビーで待ち続けるが、土谷は現われない。
外は土砂降りで満月が隠れたことが、土屋の心を臆させたのか?歩美は、雨の中、傘もささずに土谷を探し続ける・・・・。

歩美は、ついに雨の中で悄然とする土谷を見つける。
「会わないと、後悔しますよ!」
時間はどんどん過ぎてゆく・・・・。いつしか雨は止み土屋は、歩美に促されホテルに向かう・・・。
生者の心も死者の心も7年前と同じ。ただ、キラリが亡くなっただけ・・・・。


日の出までの残りわずかな時間を、土谷とキラリは恋人として過ごす。
土谷をキラリが後から抱きしめた。後から抱きしめていたキラリが消失する・・・。
ロビーに降りてきた土谷は歩美にカード・キーを返し「ありがとう」と。

ホテルを出ようとした土谷は、ドアの前で振り返り
「キラリとは一体になりました、ここで」
土谷は胸を軽く叩くのであった・・・

「最終章 渋谷歩美(松坂桃李)とアイ子(樹木希林)の物語」

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 歩美の両親は、彼を残して心中した。父親に愛人ができ、夫の不倫をとがめた母親を父親が殺し、自分も自殺したと・・・・。
周囲からそう聞かされて育ってきた。祖母のアイ子とは、両親の死について話したことはない。

 誰もいない公園のベンチで、祖母の口から、両親の死の真相が語られる・・・。それは、歩美のこの発言からであった。
「父さんも、ツナグだっただろう? ツナグとしてホテルに行っていた父さんは、誰かに目撃されたんだ。そして、母さんは不倫だと勘違いし、父さんを責めたんだ」

ツナグの銅鏡は、誰にも見せてはいけないという掟がありこれを破った場合、ツナグも銅鏡を見た者も亡くなってしまう。
歩美の話を聞き、祖母が号泣する。
「おまえの両親を死に至らしめたのは私だ。ごめん、おまえの母さんにしっかり説明していれば、あんなことにならなかったのに」

歩美は、しばらく考え
「父さんは、ツナグのことは、母さんに話していたと思うよ。でも、銅鏡のことを話して、母さんを怖がらしちゃいけないと考えたんじゃないかな」
そして、ツナグを継ぐことを祖母に語る・・・・。
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儀式は、誰もいない浜辺で行われた。目をつぶり、祖母の手に自分の手を重ねる・・・。
儀式は終わり
「ツナグを止めたら、おれ、ばあちゃんを呼び出すことにするよ」
アイ子はバカだねと孫をたしなめる・・・。

「エピローグ その後の3人」

頑固親父の畠田は、出かける息子に声をかける。今までにはないことであった。
息子も、父親に答える。これも今までにないことであった。



 「桜の園」の公演が行われていた。嵐は、堂々とラネーフスカヤを演じた。
罪を背負いながらも、嵐は前を向いて生きている。



 土屋は、キラリから教えられた場所から菓子箱を取り出す。
そこには、二人で観に行った映画館で食べたポップコーンの箱と半券が丁寧に保存されていた・・・・。